VRって何の略？VRを仮想現実と訳すのは間違っているかもしれません

VRとはVirtual Realityの略称である

見出しに書いてある通り、VRは「Virtual Reality」の「Virtual」と「Reality」のそれぞれの頭文字をとったものです。

VR(Virtual Reality、バーチャルリアリティ)とは、見た目や形は原物ではなくても、効果や機能としては実質的に現実と同等であるもののことを指します。

このVR（Virtual Reality、バーチャルリアリティ）はしばしば「仮想現実」と訳されることがあります。

しかし、もしかしたらVRを「仮想現実」と訳すのは間違っているのかもしれません。

このことについては次の見出しで詳しく説明していきます。

VRを仮想現実と訳すのは間違っている？

VRを仮想現実と訳すことが誤訳とは一体どういう意味なのでしょうか。

Virtualは「仮想の」という意味ではない

そもそもVirtual Realityを「仮想現実」と訳す際には、Virtualを「仮想の」という意味で捉えていると考えられます。

しかし、”Virtual”という単語を辞書で調べてみると、「実質上の、事実上の」という意味が出てきます。

さらに、英英辞書でvirtualという単語を調べてみると、「existing in essence or effect though not in actual fact」と出てきます。

これは「実際には存在していないが、事実上あるいは効果としては存在している」という意味になります。

つまりアメリカやヨーロッパで捉えられている「Virtual Reality」は「見かけや形は実物とは違うが、効果としては実質的に現実に等しいもの」という意味なのです。

これは、日本でVirtual Realityの訳として、実際に現実にはないものという意味で用いられる「仮想現実」という単語とは意味合いが違う、むしろ真逆とも言えることがわかるでしょう。

日本語に訳すなら「仮想現実」の代わりに「人工現実感」の方が適切

ここまで説明してきたように「仮想現実」はVR(Virtual Reality、仮想現実)の日本語訳としては適切ではないようです。

それでは、VRを日本語に訳したいときはどのように表現すればいいのでしょうか。

日本バーチャルリアリティ学会が編集している『バーチャルリアリティ学』によると、

バーチャルリアリティは、そのままカタカナで表記するのがよいと思う。もしどうしても日本語に訳したいのであれば、「人工現実感」という言葉がよいであろう。訳というより、実際のつくりを表しているからである。

とされています。

VR(Virtual Reality、バーチャルリアリティ)の日本語訳としては少なくとも「仮想現実」より「人工現実感」の方が適切であると言えるでしょう。

ヘッドセットを被って体験するものだけがVRではない

上の定義でいえば、VR(Virtual Reality、バーチャルリアリティ)とは、「見かけや形は実物とは違うが、効果としては実質的に現実に等しいもの」全てを指します。

つまり、VRはヘッドセットを被ることでしか体験できないという考えは間違いであり、ヘッドセットを被っていなかったとしても、体験した人がそれを「見かけや形は実物とは違うが、効果としては実質的に現実に等しいもの」と認めるならば、それはVR(Virtual Reality、バーチャルリアリティ)といえるでしょう。