自作VR動画とベンダー提供のVRコンテンツのレベルの差はどれくらい?

自作VR動画とベンダー提供のVRコンテンツのレベルの差はどれくらい?

会社で「MRやVRを取り入れよう!」という話が出ていませんか?

 

外に出られず体験に飢えた消費者と、自社が築き上げてきた体験の提供手段を取り上げられた企業があふれてしまっている昨今、「実体験により近い価値」をどうやって届けるかは、多くの企業の興味を引いているようです。

 

しかし、実際には、

どう進めたら良いか分からない、どんなプロダクトを作れば良いかぼんやりしている、

相談しようにもVRアプリやVRシステムの開発側が得意な会社に相談すべきなのかデジタルマーケティング等のソリューション側が得意な会社に相談すべきかの段階で悩んでしまう。

必要性はわかっていても、RFP(提案依頼書)に行きつくまでの道のりの遠さを考えると、MR動画やVR動画の新規事業担当者になるのは不安!

といった本音がダダ洩れてしまいそう。

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ネットで調べれば、360℃カメラを使ったコンテンツを提供してくれるベンダーはたくさん探せますが、いろいろなことができすぎて、逆に自分の業務に合わせて何ができるのかのイメージが具体的にならないこともしばしばです。

 

そこで、出来上がっているサービスとしてはどのようなものがあるのか、勉強してみようと思いました。

 

VR360コンテンツのセミナーに参加してみました!

セミナーを行ってくださったのは、昨今勢いのあるCMSベンダーであるハートコア株式会社。アピール点が明確でわかりやすかったです!

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事例がこちらから見られます。

https://www.heartcore.co.jp/lp/vr360.html

 

3Dカメラは最先端のMatterport(カメラ単体で数十万円から数百万円のお品物!なかなかの高級品です)を使用しています。また、東京ドームより広い場所を、400万円位するカメラで1週間以上かけて撮影した経験もあるとのこと。聞くだけで大変そうです。

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Matterport(マーターポート)は、アメリカ・サンフランシスコにあるベンチャー企業のMatterport社が発売しているサービスで、撮影装置とサーバーで構成されています。撮影装置には複数のカメラが組み込まれていて、距離や深度や緯度経度などを測りながら撮影し、サーバー側では、リンクの設置、距離を測るなど、様々な機能がつけられるそうです。

 

VR360コンテンツは、ハートコア株式会社がMatterportの機能をフルで発揮させ、かつ、パーソナライゼーションにこだわって、作り上げたコンテンツ、とのことでした。 

 

VR空間内を、歩くように移動でき(GoogleMapのように、思う場所で止まれなかったりはしなかったです!)、拡大してもはっきり見え、情報のリンクを埋め込んだり、大きさを測ったり、スナップショットをとったりできました!

スクリーンショット 2020-07-20 10.55.10ハートコア株式会社2020年7月セミナー資料より引用

 

また、VR内の回遊の⾏動履歴を分析することもできるそうです。

ここの画面はみんな長い時間いるけれども、この場所に来ると、多くの人がVR空間から離脱してしまう、とかですね。これができると、行動の履歴から、VR空間内にいた人が、何に興味を持ったのか、逆につまらないと思ったのか、どのリンク情報を欲しがったのか、等を分析することができることになります。

 

短時間のデモでしたが、それでも、できることの紹介は、

・データ内に動画、画像、テキストを掲載することが可能

・アプリ不要、デバイス関係なく閲覧可能

・空間の大きさを任意に図ることが可能

・HPやECサイトの URLへの誘導が可能

・家具や商品を⾃由に配置したり、壁紙や床素材を変えることもでき、

・⾳楽を流したり、ナレーションを出したりでき、

・移動に応じて接客を⾏うかのような対応も可

・スマホ、PC、VRゴーグルのいずれにも対応

と盛りだくさんでした!

 

良いデモをありがとうございました!

 

 

MRやVRシステム導入のROIってどうでしょう?

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さて、上記のようにVRの夢も現実もどんどん広がります。

その一方で、ARやVRは導入費用が高額なのに、ROI(投資収益率)がわかりにくい、といわれて来ました。

 

しかし、人工知能や機械学習を用いたレコメンデーションや行動支援が脚光を浴びる中、とどめを刺すかのように、コロナ禍でひとりひとりが「体験」の価値を実感してしまいました。

さらに、パックで提供されるサービスで、良質の「体験」を提供し、「体験」にたいする顧客の行動分析もできるようになってしまい、心理的なハードルは下がる一方。

 

マーターポート社の調べでは、ホテルのウェブサイトでのエンゲージメント増加や、予約へのコンバージョン増加が最大で十数パーセントと具体的な数値が示され、さすがに風向きが変わってきています。

 

また、技術的にも、5G元年に突入してしまいました。

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5Gは「第5世代移動通信システム」という移動通信の規格で、日本では、2020年にはオリンピックと絡めて、国を挙げて広めよう、ということになっていました。ちなみに、VRは、バーチャル・リアリティー(Virtual Reality:仮想現実)、ARはオーグメンティッド・リアリティー(Augmented Reality:拡張現実)の略語です。AR動画では現実の世界に仮想の画像が映し出されます。「ポケモンGO」のイメージですね。

 

さて、話を戻しますと、5G最大の特徴は、通信速度が大幅に向上する点です。

4Gから5Gに移行すると、通信速度が数十倍~100倍にもなると言われます。これでは、数分かかっていたダウンロードもあっという間。しかも、多数同時接続が得意で、基地局のキャパをほとんど気にしなくて済むようになり、動画コンテンツを送っても、エラーや速度遅延がなくなっていきます。

 

当然、容量のある360度データや動画との相性は抜群で、VR動画やARのような3Dコンテンツのインフラがどんどん良くなっていくことでしょう。

 

すでに、アイドルのプロジェクトがPlayStation®VRでライブ配信されたり、LiVRでソフトバンクホークスの公式戦をライブ VR で視聴できたりし始めていますね。

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また、VR空間を複数人で共有することもできるので、伝説の熟練者に技術を習ったりVR上で友達と旅行に行ったりだって夢ではありません。

 

 

自作VR動画と専門ベンダーVR動画の使い分けは?

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自作と専門ベンダーへの外注では、金額的には、数万円と数百万円くらい違います。

 

VR動画を制作する手順は、

① VR動画専用のカメラで撮影を行う

②同じくVR動画専用のソフトやアプリで編集をする

③ クラウドにアップして共有したり、エンコードしてYouTubeに公開したりする。

といった流れになります。

 

プライベートでの撮影であれば行き当たりばったり試行錯誤で進めることもありますが、業務で行う場合は撮影前に構成などを企画し、機材も高額の物を使うことが多いです。

 

とはいえ、流れという点では、自作でも専門ベンダーさんでも変わりません。

例えば、ハートコア株式会社のVR360コンテンツを作る流れは、

プランニングの後は、

→カメラマンによる撮影

→データ編集

→3DデータのURLを発行

→CMSへの組込みやSNSでの拡散

と進んでいきます。

service_01ハートコア株式会社2020年7月セミナー資料より引用

VR動画用カメラが普及する前は、撮影も大変だったようですが、最近では「RICOH THETA」「Insta360シリーズ」など初心者でも簡単に撮影、編集ができるカメラが、1万円レベルから販売されています。

VR動画専用カメラで撮影を行った後、通常は「ビデオ・スティッチング」という作業(眼レンズで撮影された2つのVR動画を1つにまとめて視聴可能な動画に変換する作業)が必要なのですが、最新のカメラですとこの作業も自動で行ってくれます。

さらに、RICOH社のTHETAで利用できるVR動画専用ソフト・アプリ「かんたん360 for RICOH THETA」などは、App Store等を通じて無料配布され、動画を切り出しやアニメーションの加工等、様々な編集が、お手軽にできるようになっています。

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難易度や費用から考えて、VR動画は自作できないものではありません。

 

そして、顧客に情報を受け取ってもらおう(または多くの情報量を伝えよう)という点を重視するのであれば、自作レベルのVR動画は決して粗略にできないコンテンツです。

 

しかし、顧客に能動的に動いてもらおう(それこそ、その動きを分析したくなるほど!)とすると、専門のベンダーに依頼するべき、という結論に落ち着くのかと思いました。

 

  • 予約や問い合わせの段階で、こんな枕のホテルに泊まってみたい!
  • どうしてもこのオマールエビが食べたい!
  • このペットの毛並みを触らずにおくものか!

と思わせるほどのクオリティで「体験」伝えるのであれば、やはり専門ベンダーの手を借りるべきと思われます。

むしろ、専門ベンダーの手を借りれば、ワンストップでここまでたどり着いてしまう時期が来たかぁ、と実感した「体験」でした。

 

これからも、わかりやすいワンストップサービスがあれば紹介していきたいと思います。

良いサービスをお持ちの企業さまはぜひ直接VR-ROOMまでご教示くださいませ!

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ハートコア株式会社「VR360」リンクはこちら(https://www.heartcore.co.jp/lp/vr360.html