凸版印刷と故宮博物院、故宮の文化資産デジタル化応用研究を継続
故宮プロジェクト20年目を迎え、2025年まで継続する契約に調印
凸版印刷株式会社
凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)と、中国・故宮博物院(所在地:北京市、院長:王 旭東)は、2000年より20年にわたり共同で推進している「故宮文化資産デジタル化応用研究(略称:故宮プロジェクト)」について、2025年まで継続発展させる第5期故宮プロジェクトの調印を2020年10月23日(金)に実施しました。なお、今回は故宮博物院と凸版印刷をネットワークでつなぎ、初のオンライン調印式となりました。
調印は、故宮博物院の院長である王 旭東(おう きょくとう)と、凸版印刷の代表取締役会長である金子 眞吾(かねこ しんご)が行いました。
両者は、故宮博物院における宮廷建築群や豊富な収蔵品をデジタル化し、VR(バーチャルリアリティ)コンテンツ化に関する共同研究を行い、院内での展示公開を進めてきました。今回、文化的価値をより多くの人々に理解してもらいたい故宮博物院と、文化財のデジタル化およびその活用を幅広く社会に提供したい、凸版印刷の両者が共同研究の継続に合意。このたびの調印となりました。
第5期故宮プロジェクトでは、活動20年の集大成として故宮博物院外の関連施設で研究成果を公開するほか、展覧会、オンラインイベントなどで活用します。
凸版印刷は今後も貴重な古建築群や文物のデジタル化による研究・保護活用手法の開発や、それらのデータを元にしたVR作品など、デジタルコンテンツの一般公開を国内外で推進します。
■ 「故宮プロジェクト」について
本プロジェクトは、故宮博物院の管理する紫禁城などの宮廷建築群と文物を、凸版印刷が開発したVR等の技術で保存・公開する共同研究プロジェクトです。中国の博物館では初めてとなる国家認定の国際共同プロジェクトとして2000年にスタートしました。2003年、故宮博物院内の内務府跡地に、およそ3年の歳月をかけて清朝時代の宮殿を模した「故宮文化資産デジタル化応用研究所」を設立。研究所内に、高さ4.2メートル、幅13.5メートルの大型3面カーブスクリーンを用いたVRシアターを設置しました。ここを研究拠点として、故宮最大の宮殿「太和殿」を皮切りに、紫禁城空間のデジタル化を推進し、清王朝全盛期の姿で再現する『故宮VR《紫禁城・天子の宮殿》』シリーズの共同制作を進めてきました。
第1期(2000~2005年)、第2期(2005~2010年)、第3期(2010~2015年)、第4期(2015~2020年)の20年間を通じて先駆的に取り組んできたVRによるデジタルアーカイブは、その規模において、世界に類例のないものになっています。
■ これまでの取り組み
・第1期 (2000年~2005年)
太和殿などの大型建造物を中心に、皇帝のまつりごとの空間である「外朝」をデジタル化した『故宮VR《紫禁城・天子の宮殿》』第一部「太和殿」、第二部「三大殿」を共同発表。日中両国内外で高い評価を得ました。
・第2期 (2005年~2010年)
皇帝の生活の場であり多様な文化が重層された「内廷」を初めてデジタル化した第三部「養心殿」、第四部「倦勤斎」を完成させました。「内廷」の宮殿の各部屋には多数の文化財が配置されていますが、「外朝」とは対照的に小さな空間であること、また文化財保護の観点から宮殿内部は公開されていません。こうした背景もふまえ、「内廷」を題材に選定しコンテンツ化を行いました。
・第3期 (2010年~2015年)
紫禁城の中で唯一の西洋建築物を題材に第五部「霊沼軒」を開発。一般公開されている宮殿ですが、完成前に清朝が終焉を迎え建設途中のままの姿で残されています。故宮の古建築研究成果を基に、完成後の姿をVR技術で想定復元しました。また、城郭の四隅に建ち紫禁城を守る第六部「角楼」など、多彩な建造物とVR技術を組み合わせたコンテンツ開発を進め、国内外の美術館や博物館での活用を実施しました。
・第4期 (2015年~2020年)
故宮博物院の北部に位置し訪れた人の多くが通るエリアを題材に第七部「御花園」を開発しました。シアター形式での鑑賞の他、ヘッドマウントディスプレイを活用して鑑賞者が能動的に楽しめる展示を期間限定で実施しました。
■ 凸版印刷のVR・デジタルアーカイブへの取り組み
凸版印刷では印刷テクノロジーで培った高精細・大容量のデジタル画像処理技術やカラーマネジメント技術、立体形状計測技術を核に、文化財の高精細デジタルアーカイブに取り組み、これまでに、マチュピチュ(ペルー)、国宝「陽明門」(日光東照宮)、国宝「檜図屏風」(東京国立博物館所蔵)、など、国内外で数々の貴重な文化財や世界遺産をデジタルアーカイブ化しています。
また、文化財のデジタル展示手法としてVR技術の開発に取り組み唐招提寺や国宝 洛中洛外図屛風(舟木本)、東寺の立体曼荼羅、マチュピチュなど、国内外の貴重な文化財・世界遺産をテーマとしたVR作品を多数製作しています。江戸城天守を8KVRで製作するなどの超高精細表現技術開発や、帝国ホテル旧本館ライト館のVR再現といった近代建築分野への取り組みも展開しています。
VRの利活用・公開の場として、熊本城観光交流施設内の「熊本城ミュージアム わくわく座」でのVRシアター開設や、東京国立博物館へ「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」を導入するなど、国内外20か所以上の文化施設、観光施設へVRシアターを展開しています。
公式ホームページ: http://www.toppan-vr.jp/bunka/
* 本ニュースリリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
以 上
-
前の記事
でんぱ組.incが夢の実現をかけて、ARスポーツHADOで対戦!でんぱ組.inc × HADO Live 〜みんなで叶えるでんぱの夢〜 supported by ひかりTVが11月22日に開催決定! 2020.10.24
-
次の記事
LiDARを活用しあらゆる空間を演出 ARエフェクトアプリ『Effectron』iPhone 12 Pro版をリリース 2020.10.24