VRの抱える技術課題とそれらを解決する方法とは?

VRの抱える技術課題とそれらを解決する方法とは?

VRの抱える技術課題とその解決策について解説

昨今、急激な発展が注目されているVR(バーチャル・リアリティー)ですが、技術の発展の際に直面する技術課題は避けて通れません。

そこで、この記事ではVRはどのような技術課題を抱えているのか、そしてどのようにしてそれらの課題を解決していくのかについて、経済産業省が発表した報告書(平成 28 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備)を参考に、

  • VRのハードウェアに関する技術課題
  • VR体験の健康への影響
  • VRプラットフォームに関する技術課題

以上についてわかりやすく解説していきます。

VRハードウェアに関する技術課題

VR体験に際して、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのVRハードウェアは大きな役割を果たします。

そこで、まず初めに、VRのハードウェアに関する技術的な課題と、その解決策について説明していきます。

HMD(ヘッドマウントデイスプレイ)の解像度、視野角などの技術課題

現在のVR HMDでは、両目合わせて 2K 相当の解像度で描画が行われいます。

ディスプレイには主に有機 EL パネルが使われていますが、レンズを通して見るとピクセル(画素)がわずかに見えてしまうレベルの解像度に留まっており、人間が認識している現実に比べて、得られる情報が少なくなっているのが現実です。

また、ヘッドマウントディスプレイの視野角に関しても課題を抱えています。

現在市販されているヘッドマウントディスプレイの視野角は平均して100度ほどですが、それに対して人間の視野角は200度以上とされており、現実にはまだまだ及ばないのが実情です。

しかし、最近では210度の視野角を誇るとされる「StarVR」なども登場してきており、今後の技術の発展が期待されます。

210度の視野角を誇るStarVR

 

(画像はStarVR HPより引用)

装着時の抵抗感に関する課題

VRのハードウェアに関する技術課題として、装着時の抵抗感をいかに無くすかという点があります。

VRのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の普及には、抵抗感のない装着感が重要となってきます。

軽量化、小型化、 デザイン等などの改良はもちろん、ネットワーク機能のワイヤレス化、 さらにはプロセッサ等を全て VR HMD に組み込むことで手軽に使うことのできる一体型 (スタンドアローン型)の開発も必要です。

今日では、Oculus社のOculus Goや2019年春に発売予定のOculus Quest、HTC社のVive Focusなど一体型のVRヘッドセットも多く開発されており装着感の工場も進められています。

 

一体型のヘッドセットであるOculus Go

Oculus社HPより引用)

VR体験の健康への影響

VRの抱える課題として、VR体験が健康に及ぼす影響もあります。

ここでは、VR酔いとVR体験の際の年齢制限について解説していきます。

様々な要因から生じるVR酔い

VR酔いとは、VR体験によって吐き気や頭痛などを覚え、気分が悪くなってしまう症状のことを指します。

なぜVR酔いが起きるのか、原因は未だはっきりとわかっていませんが、最も有力だと言われているのは、視界の動きと実際の動きの不一致によるものだという説です。

VR酔いに対して、個人がとることの出来る対策としては、

  • 十分な睡眠をとる
  • 視界移動が激しいゲームは避ける
  • 酔いを感じたらすぐに休憩する

などがあります。

また、デバイス側の問題として、描画遅延(レイテンシー)やフレームレートなどもVR酔いの原因となるとされており、高性能のVRヘッドセットの開発により、VR酔いが軽減されることが期待されます。

 

VR体験の際の年齢制限

現在、多くのVR体験では年齢制限が設けられています。

年齢制限が設けられる理由は、VRのHMDでは擬似的な立体視を行うため、脳の立体視細胞の発育過程等に影響を及ぼすから、とされています。

簡単に説明すると、人間は立体視細胞という細胞で左右の目から得た情報を立体的に再現しているのですが、まだ幼い子供がHMDをかぶると発育途中の立体視細胞に悪い影響があるかもしれない、ということです。

そのため、多くのVRゴーグルは13歳以上という年齢制限を設けています。

VR体験は子供の視細胞に悪い影響を与えうるという一面もある一方で、教育のための道具として活用できるのではないかという期待が高まっており、きちんとした基準づくりがこれから行われていく必要があります。

VRプラットフォームに関する課題

3つ目に紹介する課題は、VRプラットフォームに関する課題です。

VRコンテンツが増えるにつれて、VRコンテンツを配信するプラットフォームの種類も増えてきています。

それにより、VRコンテンツがそれぞれのHMD(ヘッドマウントディスプレイ)に対応したプラットフォームでしか体験できないという課題が発生しています。

例えば、Oculus社が提供するプラットフォームOculus Storeでは、Oculus RiftやOculus Go向けのVRコンテンツを配信していますが、これらのVRコンテンツはHTC社のHTC Viveなどでは体験することができません。

このプラットフォーム間の障壁を取り払うための解決策として、「OpenXR」という取り組みがあります。

「OpenXR」は様々なVRプラットフォームでのデバイス間の仕様を画一化することで、VRコンテンツを全てのプラットフォームで体験できるようにする取り組みです。

「OpenXR」は、関連企業によって共同で構成される組織クロノス・グループにより、2016年末から計画が進められています。

OpenXRの構想図

(画像はKHRONOS GROUPサイトより引用)

まとめ:VRの技術課題について

この記事ではVRが現在抱える技術課題についてまとめてきました。

これから先、VRがますます発展していくためには今回紹介したような技術課題を解決していく必要があります。

これらの技術が解決された先に、どのようなVRの未来が待っているのか楽しみですね。

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(参考)

平成 28 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 

(経済産業省 商務情報政策局 文化情報関連産業課 一般財団法人 デジタルコンテンツ協会)