お葬式にまでVRを活用⁈葬儀業界とVRの関係について最新事情をお届け!
- 2018.12.07
- VR活用事例
葬式業界にまで浸透してきているVR技術
人生を締めくくる最後のイベント「葬式」。
残念ながら当の本人が記憶に留めることはできません。
死後の世界に魂として存在し、葬式の様子を眺められればよいのですが、それが可能かどうかは誰にも分りません。
しかしここ最近、VRを用いて葬式一連のプロセスを体験できる様になってきました。
それだけでなく、外出せずにパソコン上で、式を執り行う会場を実際に訪れているかのように、疑似見学できるサービスもあります。
また葬儀後に入ることになる霊園やお墓を、100以上の候補から選び、仮想的にその様子感じることができる様にもなってきました。
この記事はそんなサービスの体験を交えてのレポートです。
ぜひ最後までご覧ください。
葬式業界に実際にVRが導入されている事例を紹介!
ここからは、葬式の様子や、式場選び、お墓探しにVRを導入した事例を具体的に3つ紹介します。
死者の目線から実際に葬式を体験する360度VR動画
葬式へのVRの活用として注目を集めているのが、実際に死者の目線から葬式を体験できる360度VR動画です。
地域情報発信サイトワンダフルモーションと、広島県東広島市のハウスセレモニー アーバン はるか~遥~のコラボで制作された動画です。
自分が遺体となって葬式にのぞんでいるなど、想像がつきませんが、この動画はその雰囲気を臨場感たっぷりに感じさせてくれる作りになっています。
しかもVR体験まで可能なのは驚きですね。
冒頭のお棺のふたが閉められるシーンから始まる映像は全て遺体の目線で撮影されており、死ぬことへの漠然とした不安を掻き立てます。
場面が変わって、車の中から運び出されるストレッチャーと共に視点が移動して行くのですが、マウスでドラッグすることによって、あるいは画面内の矢印ボタンを操作することによって、カメラの向きを変えることができるのは、VR動画ならではですね。
カメラを水平方向にぐるりと動かすと、葬式が執り行われる斎場が幹線道路のすぐ脇にあり、車での来場も容易であることは想像にかたく有りません。
ストレッチャーが建物に運び込まれる時に、係の女性2人がお辞儀をしています。
玄関を入り少し経ったところでカメラを入り口側に向けると女性たちはまだ頭を下げています。
死者に対する敬慕の念を感じますね。
なるほどと思ったのは、カメラを真下に向けた時。
そこには「アーバン はるか~遥~」のロゴが。
スポンサー情報をさりげなく足元に表示する事で、動画作成の意図がハッキリ伝わります。
その後、「人生お疲れさまでした、これからお化粧させていただきます」との言葉と共に化粧を施され、家族の手によりお棺の中に入れられ、読経の後、別れの言葉と共に献花を受け、お棺の蓋を閉めるシーンで、葬式のVR体験は終了します。
動画の冒頭部分では、「見たくない」「死から遠ざかりたい」という気持ちが強かったのですが、途中からは「このように丁寧に扱ってもらえるなら、この斎場で最期を迎えるのも良いかな?」と思うようになりました。
スポンサーである「アーバン はるか~遥~」さんの元には、この動画に対して賛否両論の意見が寄せられている様ですが、再生回数は170万を超えているので、注目度は非常に高いと言えるでしょう。
普通の生活では決してできない体験を通して、死への心構えができる事は、非常に良い点だと思いました。
葬儀式場をVRで事前に下見することができる葬儀会館も
千葉県柏市の「南柏会館」では、葬儀式場をVR見学することができます。
ホームページにある会場の写真をクリックすると画面一杯に画像が広がり、VR見学のスタートです。
第1式場は本会館最大のスペースで100名まで収容でき、用途により細かく仕切ることも可能というマルチなホール。
VR見学では、会場ほぼ中央の焼香台の手前にカメラが有る設定で、すぐ先には左右に分かれて親族席があり、その奥には花に囲まれた祭壇が見えます。
マウスポインターでドラッグし、カメラの向きを変えると、後方には整然とイスが並んだ参列者席が、天井に目を向けると清潔感のある白い天井と明るい照明が確認できます。
この式場でしめやかに粛々と執り行われる葬式の様子がありありと想像できますね。
視点を変える上で便利なのは、マウスだけでなく矢印キーでも可能な点でしょう。
その動きはスムーズであまり動かしていると画面酔いしてしまいそうな程です。
第2式場は家族葬から60名位の葬儀までワンフロアで全てを行うことができる中規模の会場で、第3式場は限られた親族で行う小さな式に適した小規模な会場と、各式場の広さを視覚的に体感できるのはVRならではですね。
ケガで動けない、病気で外出できない、仕事が忙しく時間が取れない、などの理由で会場に直接足を運べない方にとっては大変便利なサービスです。
(画像は南柏会館 HPより引用)
霊園をVR動画にて見学!VRで葬式後のこともシミュレーションできる
1984年創業の「株式会社鎌倉新書」が運営している「いいお墓」は、東京、神奈川近郊の100以上ある霊園の様子を、VRを用いて見学できるサービスです。
(画像はいいお墓 HPより引用)
見学の予約をすると、港区麻布十番にある東京ブース、か担当者の自宅訪問を選択します。
今回自宅までわざわざお越し頂いたのは、創業400年、鎌倉に本店を構える墓石専門社「石長」さんです。
それなりに大きな機材をお持ちになるかと思っていましたが、コンパクトな装備でいらっしゃいました。見学したい霊園を選ぶと、スマホでデータをロードし、専用のVRゴーグルにセットします。
ゴーグルを顔に装着すると、時の頃は少し日が傾きかけてきた午後、霊園の中央に自分が立っています。
その場で、頭を右に向ければ右の風景が、上に向ければ秋の晴れ空が目に飛び込んで来ました。
あたりを見回すと住宅街に隣接する盆地であることかが分かります。
整然と墓石が並んだフラットな敷地はバリアフリーへの配慮なのでしょう。
撮影者の影を自分のものと錯覚してしまいそうになるのはご愛嬌ですね。
VR見学で気になった霊園には車での送迎による実地見学が可能です。
もちろん車椅子への対応も抜かりはありません。
お墓、あるいは散骨の種類は、過去の習わしに捕らわれず、本人または遺族の意思を優先し、自由に選ぶのが最近の流行り、とのことです。
他にも納骨、埋葬にまつわる沢山のお話を有難く聞かせて頂きました。
実際に現地を訪問することなく、複数の霊園に足を運んだかの様に、雰囲気を体験することができるこのサービス。
忙しくて何件も現地を回ることができない、または寝たきりのお年寄りなどの方々には、非常に良いきっかけとなるのではないでしょうか?
まとめ:VRを活用して理想のお葬式を実現しよう
今回紹介した事例では、動画も含め基本的に定点からのVR体験でしたが、今後技術が発達したら、より一層リアリティーのある経験が可能になるでしょう。
現地を訪れる事なく自分好みの、又は家族嗜好の葬式を選べる時代がもう目の前まで来ています。
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